〜第5幕 日本1周〜 =第5週= | |||
2004年07月11日 (日) 昨夜から降りだした雨は朝になってもまだ続いていた。 2日降って1日はなんとか持つ。その1日がたまたま晴れれば嬉しいような状態。 ここ10日ほどは、気持ち良い日が無いような気がする。 そんな訳で、今日は朝からキャンプ場でゆっくりと過ごし、止み間を見つけては買出しに出かける。 買出しの終わる頃には、また雨が降り出して憂鬱な気分に浸ってしまう。 明日の天気予報には少しだけの希望が見えたが、はてさて、どうなる事やら。 行動:旭ヶ丘キャンプ場 走行距離:0km 2004年07月12日 (月) 目を覚ますと、川のせせらぎのような音が聞こえる。 このキャンプ場の近くに、川は流れていたのだろうか。 その内川のせせらぎの音は遠退いて行き、代わってカラスの鳴き声が聞こえ出す。 そうか、さっきの川のせせらぎのような音は雨だったのか。 脳のどこかで雨を拒否し始めたようだな。 やがてテントの周りは明るくなり、回復の兆しが見えるのだが。 いや、そう思うようにした。 一旦回復したかに見えた天候は、午前中の内は雨交じりの天候となり、またしてもキャンプ場で過ごす事となった。 いや、正確に言えば、天候が回復したとしてもキャンプ場で過ごしたかも知れない。 今では走るよりもキャンプしている方が落ち着いていて良い。 ここしばらくの雨空のお陰か、料理のレパートリーも随分と増えてきて、気の合う仲間に振舞ったりして、その評価を聞くのが楽しい。 一昨日はささみとキャベツのトマト煮を作って、アドバイスを受け、昨夜はささみの代わりに豚肉を入れ、コンソメで味を調えるようにしてみた。 なかなかこれが好評で、また違う所で振舞ってみたいと思う。 行動:旭ヶ丘キャンプ場 走行距離:0km 今いるキャンプ場は、そこそこのライダーが集まり、交流もある。 当然、夜の食事時には気の合う仲間が集まって、お酒を飲みながらの歓談がある訳です。 そこには女性の姿も含まれていたりして、私も嬉しい限りです。 ある晩、周りの何人かに担ぎ上げられ、一人の女性に「好意的な気持ちでいる。」なんぞ、酒の勢いも手伝ってほざいた訳。 次の夜。 また食事時になり、酒を持って集まると、当たり障りの無い話題から、酒が進むに従って、昨夜の話題になった訳。 まあ、周りが面白がっているので調子こいて、一人で盛り上がったりしてた訳。 でも私は、彼女の持つ私への印象をはっきりとさせたくはなかった。 それは私自身と彼女の旅が何となく面白くなくなってしまいそうだったから。 しかし周りはそうではない。 彼女の反応を確かめようと、余計なお世話を焼きやがる。 まあ、予想された返答が帰ってきた訳だが。 何となく彼女の返事が理解できていたのは、その雰囲気から。 彼女は嫌そうな顔も見せず、他人事のように楽しんでいる。 二日続けてこの場に居る事からも、悪い返事じゃない筈だ。 そう願いたいものだった。 表現とは微妙だ。 好きでもなく、嫌いでも無い場合、曖昧な返事が時として起こりうる。 いや、曖昧な返事の場合が多いが、これは表現一つでどうとにでも取れる。 彼女の返事はどうだったのかと言うと、「嫌いじゃない。」 喜んで良いのだろうか? いや、私は素直に喜んだ。 「好きじゃない。」よりは随分とマシな返事じゃない? 嫌いじゃなければ、好きな可能性が残されていると言う事なんだから。 でも私はその時、本気で彼女を好きになってた訳じゃない。 好意を持った。ただそれだけだったが、その言葉で何かが変わってしまったのだった。 彼女への気持ちが急激に膨らんでしまって、好きと言う気持ちになってきた。 彼女へ送る視線も増え、彼女に傍に居て欲しくなりだす。 違う男と仲良くしているのを見ると虫の居所が悪くなり、私の傍に来ると機嫌が良くなる。 ここでまた、無いかが変わり出すとは思いもよらない事だった。 私たちはお互いがお互い、この北海道の旅を楽しんでいる。 行動を制限してしまうような事はするべきじゃない。 という考えを私は持っていた訳で、いちいち彼女の行動を突っ込んで訊く様な事はせず、誘うような事もしなかった。 彼女は何故か翌朝、一人の男と出かけてしまった。 丸1日。 そりゃ、気が気ではなくなる。 帰ってきてからも、なんかその男と良い雰囲気を作っている。 もしかして私はからかわれているんじゃないだろうか。 周りから盛大に。 喉から出かかった言葉を飲み込み、この事を忘れる事にした。 いや、彼女への感情を忘れる事にした。 手遅れにならない内に。 2004年07月13日 (火) 生憎の曇り空だが、目覚めと同時にテントの中を整理し、全ての荷物のパッキングを済ませる。 旭ヶ丘キャンプ場から撤収し、移動すると言う事だ。 と言っても、目的地はごく近くな訳だが。 アメディオに荷物を背負わせると、他のキャンパーにコーヒーをねだり、出発の時を見計らう。 空の雲は一向に晴れる見込みもなく、少々足早にキャンプ場を離れる事にした。 回り道しながら、のんびりと、しかし素早く行くとしますか。 R453 支笏湖湖畔をゆっくりと左右にシェイクしながら走る。 道道117号 意外に快適に走れる道。天候が良くなってきた所為かも知れんが。 天候は思わしくなかった。 今、雨が降り出しても、なんら不思議ではない。 それは支笏湖を越えるまでだった。 峠を1つ越えると、にわかに天候が回復して、青空が広がり始める。 気温は上昇し、少々暑い。日焼けも気になる。 でも、気持ちの良いもんだ。晴れていると言うのは。 気分を良くしてみるのだが、荷物を積んでいると言うのは、走りの面で沢山の要素をスポイルしてしまう。 そして、2〜3週間前から気になっていた事がついに現実のものとなってしまう。 フロントタイヤからスリップサインが見えてしまった。 もう少し頑張るか、早目に交換か。 札幌は近い。ただ、もう少しだけ欲張ってみたい気もする。 行動:R5〜道道478号〜R276〜R453〜道道117号〜恵庭市内〜道道45号〜R337〜道道45号〜R234〜岩見沢市内〜道道6号 走行距離:180km 2004年07月14日 (水) 札幌に美味しいスープカレーを食べさせてくれる所があるらしい。カレーに目の無い私としては、1度賞味しておかなくてはなるまい。 タイヤ交換も考えているので、今日1日を使って札幌周辺散策をしたいと思う。 それは、差し迫ったオイル交換の事もあるので。 ちなみに、天気は朝の段階で微妙な感じ。 札幌へ向かうたびに空にある雲は晴れて行き、青空が広がり始める。 と同時に、気温も上昇して、革のジャケットが恨めしくなる。 札幌市内の琴似をめざし、頭に叩き込んである記憶の地図を頼りに進んでいく。 少々の迷いがあったのだが、無事琴似駅に辿り着く。 問題はここから。 住所を知っていたので、店を見つける事に不安はなかったのだが、これがなかなか見つからない。 仕方が無いので、道を通り過ぎ行く若い女性に声を掛ける事にした。 なんでもその店は小洒落ているらしいので、男性や年配の方は知らない場合が多いだろうし。 なかなか若い女性が通りかかる事はない。 それでも私は待った。まあ、色々あるしな。 ようやく一人目のターゲット、もとい、若い女性を見つけると、店の場所を訊きだそうと声をかける。 が、なんと無視されてしまう。 ナンパしているのと勘違いされたようだ。 ま、遠からず近からずな訳だが。 その時の私の出で立ちと言えば、全くライダーらしからぬ格好で、左足のジーンズの裾からのぞくシューズがシフトペダルで擦り切れている事くらいしか無かったからだろう。 もしこの時、アメディオが傍に居て、地図を眺めながら辺りを見回していたなら、警戒なく私の声に耳を傾けた筈だ。 そう考えると、店の場所を聞くのは少々厄介だったりする。 逆に言えば、ライダー然としていれば、声を掛けやすいんじゃないだろうか。 2人目も同じ様に、明らかな警戒の目だったが、素早く事情を説明すると、それがナンパじゃない事に気が付いてくれた。 その後、店の場所を聞きだす事が出来、喜び勇んで店まで辿り着くと、昼食時の所為か、店の前に行列が出来てしまっている。 ここまで来て引き返す事は出来ず、何とか待ち時間を待って店の中に案内される。 注文はウインドーに掲げてあったメニューにて既に決めてある。 豚の角煮は私のもう1つの好物であって、その組合せのスープカレー。 スープカレーはライスと別々になってあり、食べ方に戸惑うが、スープカレーをスープの一種だと考えると、その食べ方が間違っていないような気がした。 なかなかのボリュームで、腹一杯になったが久しぶりに昼食に千円以上使ってしまった。これも待たされた時間の効果かも知れない。 出発がやや遅かった事もあり、昼食に時間を取ったこともありで、その他の予定をこなす事はしなかった。 さて、明日は撤収か連泊か非常に悩む所。 強いて挙げれば、タイヤ交換くらいなのだが。 行動:北村〜札幌市往復 走行距離:101km 2004年07月15日 (木) 朝から一面に雲が広がっているが、これは道央の特色かもしれない。 と言うのも、かなりの確率でこのような朝が多い。 そしてそんな場合には決まって好天となっていくのだ。 今日もそんな期待をしながら、ゆるゆると撤収準備を始める。 そして、富良野へと向かう事にする。 なんでもこの週末、ラベンダー祭りが開催されるらしい。 その祭りに誘われてしまったからだ。 今後の予定もほぼ固まりつつあり、祭りをいくつか巡る事になりそうだ。 まあ、私は祭り自体にそんなに興味が無い訳だが。 テントを撤収し終わる頃には、空一面に広がっていた雲は何処かへと消え去り、変わって青空が広がり始める。 気温も上昇して、少々暑い。と言うかかなり暑い。 北村を後にして、富良野へと向かう道は、平日にしてはやけに往来が多い。 富良野に入ると、綺麗に十勝岳が見える。 ここまで見事に見たのは初めてだろう。富良野の景色に感動するのも初めてかも知れない。実は。 キャンプ場を決めて、テントの設営を済ませると、少しの休憩の後、買出しに上富良野まで出かけた。 その夜は、少々酒が過ぎてしまった。 行動:道道6号〜岩見沢市内〜R12〜道道116号〜R452〜道道135号〜R38〜富良野市内〜中富良野町内 走行距離:108km 2004年07月16日 (金) 昨夜の酒は、完全に身体から抜け出すことはなく、少々気の重い朝となった。 しばらく酒は辞めようか。 それとは対照的に今朝の天候は快晴。 なんだか久しぶりのような気がする。ここまで見事な晴れ具合は。 コーヒーを淹れて気分をリフレッシュすると、今日の予定を決めてみた。 と言っても、コインランドリーに出かけ、アメディオの脱落したパーツを探すだけなのだが。 動き始めたのは、太陽がほぼ頭上に輝きだしてからの行動。 このところすっかりとこんな生活が染み付いてしまったようだ。 洗濯を済ませ、パーツを探す。 結局パーツは見つからず仕舞いだったので、キャンプ場に引き返し、今日1日を酒で労うとしよう。 あっ、酒はしばらく辞める予定なんだったっけ? 行動:中富良野町〜富良野市往復 走行距離:20km 2004年07月17日 (土) 今日も朝から良い天気。 天気が良いと、気分まで良くなる。 でも、今日は恐らく中富良野の町から出る事は無いだろう。 なんと言っても今日はラベンダー祭りなのだから。 遅めの朝食を食べ、日が高いのにラベンダー園まで歩いて出かける。 と言っても、ラベンダー園までは歩いて十数分と言ったところ。 彩香の里 満開のラベンダー。 園内をゆっくりと周り、ラベンダーソフトを購入すると、歩きながらそれを食べ、キャンプ場へと引き返す。 キャンプ場では本を読みながら、昼寝を交えながらのんびりと過ごし、夜になるのを待つ。 今日の夜は花火大会。 高台から見る花火は、開くと目線の高さのものもあり、迫力がある。 私の育ち柄、花火はイヤと言うほど見てきたが、久しぶりの花火とシチュエーションに少し興奮してしまった。 意外なほど盛大な花火に感動。 にしても、今週は好天が続いたにもかかわらず、ほとんど動いていないね。 行動:中富良野町 走行距離:0km |
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週間走行距離 | 409km | ||
総走行距離 | 3333km | ||
給油 | 15.6L(283.3km) 計168.9L(3207.8km) | ||
諸経費 | ガソリン代:=1919円 温泉代:500×2+400×2=1800円 |
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Route-D > 第10章 > 第6週 |
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