〜第5幕 日本1周〜 =第6週=
2004年07月18日 (日)

昨夜で中富良野のラベンダー祭りは終わり、はっきり言って富良野に用事はなくなった。
へそ祭りが再来週にもあるそうだが、そいつは見送る事にしたい。
昨夜遅くから降りだした強烈な雨は、朝にはすっかり上がっていて、回復の見込みが濃い。
用事がなくなったとは言え、後2日ほどここに滞在するつもりなので、今日は美瑛に向かおうと思う。
青空こそのぞくものの、好天と言うには少し違う。
その天気の中で美瑛はどのように映るのだろうか。
富良野を抜ける所から車は列を作り始め、今日が連休の中日だと言う事を強く意識する。
美瑛には沢山の観光客がいて、その観光客を掻き分けるのに精一杯と言った所。
風景を楽しむと言うレベルでは正直なかった。

パッチワークの丘辺り。


セブンスターの木を背景にして。

美瑛の散策を終えると、アメディオを十勝岳へと向ける。
十勝岳へと向かう道も多少なりとも車はいたが、その車たちをバックミラーの奥へと追いやり、グングンと駆け上がって行く。
なかなか快適な道で、今回はそれを楽しむために走っている。

道道996号 白樺の林の中を走る。

奥に有る吹上温泉は、もし万が一空いていたらと言う条件で、楽しむつもり。
案の定、吹上温泉露天の湯の駐車場は車であふれて、アメディオのウインカーを2度ほどばかり右に点滅させたが、その点滅とは裏腹に道をまっすぐ進むことにした。

本来の目的はフラヌイ温泉にあった。
傷に良く効く温泉だそうで、色々とある傷を癒したい。
勿論、心も含まれる。
フラヌイ温泉は源泉そのままと、源泉を適温に沸かした湯船がある。ちなみに源泉の温度は31度。
小1時間ばかり温泉を堪能して、ロビーで更新作業を進める。
ロビーには無線LANが整備されていたのだが、LANカードなど持ってきておらず、PHSでいつもと同じ様に更新している。
ただ、電源をありがたく使わせていただいていると言う点が違うが。
温泉を後にすると、買出しを済ませ、キャンプ場へと戻り、またさけを浴びるように飲んでしまうのだろうか?
何故か買出し時には酒に手が伸びてしまう。

行動:中富良野町〜美瑛町〜上富良野町〜中富良野町

走行距離:99km


2004年07月19日 (月)

ここ富良野ですっかりと予定をなくしてしまって、次の行き先へと向かいたい訳だが、今日が休日と言う事もあって移動せずにのんびりと過ごす事にした。
とは言うものの、朝からなかなか良い天気で、気温も思ったほど上がってこない。
これが昨日だったらと少し残念でもある。
午前中は読書をして過し、午後も同じ。
動き出したのは2:30頃とだいぶ遅い。
向かう先はフラヌイ温泉。すっかりとお気に入りになってしまった。

富良野と中富良野、そして上富良野をつなぐ道道を快適に駆け抜ける。
富良野に来て以来、姿を隠していた十勝岳も、今日ははっきりとその姿をうかがわせている。
本当に1日、この天候がずれていればと思うと悔しい。
まあ、北海道に上がってからその様な事は数知れずなので、今更文句を言っても始まらない。
フラヌイ温泉を小1時間堪能し、昨日と同じように酒を買ってキャンプ場に戻る。
明日、もし天候が良かったならば、ここを撤収し、北村まで戻って次の旅立ちの準備を済ませようと思う。
と言っても、タイヤ交換が済んだら倶知安か函館まで気分次第に南下するのだが。
天気予報は今のところ曇り。微妙だ。

行動:中富良野町〜美瑛町〜上富良野町〜中富良野町

走行距離:21km


2004年07月20日 (火)

昨夜遅くから降りだした雨は、昼前にはすっかりと上がっていた。
しかし私の気持ちは、朝、目を覚ました時、雨がテントを叩いているのを感じた時から決まっていた。
読みかけの本を読破し、夕食の買出し。
と言いたい所だが、買出しは人任せにして、キャンプ場から一歩も出ない一日を過ごした。
雨は昼前には上がっていた。
何度も繰り返すようだが。

行動:中富良野森林公園キャンプ場

走行距離:0km


2004年07月21日 (水)

さわやかな朝を迎える。
撤収日和とも言えるのだが、これがなかなかどうして、腰に根が生えたような感じになり、もう少し先延ばしにしようと考えているのだから怖いものだ。
昼飯前に組紐を教えてもらったりで、今日もキャンプ場から出てしまわないのかと考えそうになったが、もう少しだけ富良野を楽しんでみようかと、チーズ工場とワイン工場を周る事にした。
女性と二人っきりで。
と思ったのだが、思わぬ所から邪魔が入ってしまう。ちっ。
しかもタンデムは男。勘弁してくれ。
チーズ工場とワイン工場で試食品を飲み食いし、小1時間休憩をしてからフラヌイ温泉へと向かう事にした。
この時は一人になっていたのだが、キャンプ場に戻った時から小雨が降り始め、フラヌイ温泉に向かうたびに段々と雨足は強くなる。
このままではレインスーツが必要になってしまう。
フラヌイ温泉は諦める事にして、キャンプ場に戻る事にした。

行動:中富良野町〜美瑛町〜上富良野町〜中富良野町

走行距離:40km


2004年07月22日 (木)

富良野でする事がなくなったと思っていたのだが、ひょんな事から十勝岳へと登ってみる気になった。
ひょんな事と言うのも、女性に誘われたと言う事に他ならない。
朝、目を覚ますと、すがすがしい空気と共に青空が広がっている。
今日こそは二人きりだ。
と言う訳にも行かず、もう一人野郎を連れて行く事になった。
連れて行くと言うか、付いて来た。ガイドを申し出て。
これが後々、私を救ってくれると言う事になるんだが。

幸運な事に、今日のタンデムは女性だった。
それだけは譲れまい。
いや、今後男を乗せる事は無いだろう。緊急時以外。
十勝岳登山口、望岳台に辿り着く。いまだ十勝岳山頂はその姿を見せてくれて、今日の登山に花を添えてくれている。
足取り軽く、コースタイム3時間少々の登山へと繰り出す。
聞いていた話では、簡単な山らしいのだが、私はこの登山で3つの心が折れてしまった。
登山を舐めていたと言うのもある。
いや、ハイキング程度と考えていた私の出で立ちと言えば、靴はライディングシューズで登山靴のように見えなくも無い代物。これは許せる。
下はジーンズ。上はTシャツ。さらにインナーとトレーナを1枚ずつ携行している位。他にはデジカメ、そして食料少々。
聞いていた話ほど登山道は優しい物ではなかった。
30分、いや15分おきに休憩が必要だと言える。私の体力では。
ガイドを申し出た男性はどんどんと上へと上がって行き、それに着いて行くだけで息が切れる。
何が簡単な登山だ。
しかも時間の経過が物凄くゆっくりとしているようだ。
1時間が経過した時点で、私はこのまま下りに入りたいほどだった。
1時間と30分が経過しただろうか。
今まで綺麗に山頂をのぞかせていた十勝岳は、すっかりとガスに覆われてしまっている。

登山家のキタキツネ?

登り始めの暑さと、登山のきつさで汗だくになり、インナーとトレーナは単なるバラストだとおもっていた。
それが山頂に辿り着く頃には、私の身体を覆っている。
それでも足りないほどの寒さが私の心をへし折っていた。
おまけになんだ、この視界の悪さは。この風の強さは。
さっさと下山してぇ。
私の頭の中ではただその想いがぐるぐると渦巻いている。
下山を始めると、意外なほど体力を使う事も無く、トントン拍子で降りていったのだが、まさかこんな事が、こんな場面で、こんな状況で起こってしまうとは。

左膝に違和感を覚え、やがてそれは急速に私の動きを奪って行った。
ペースはがた落ちで、同行している仲間に迷惑を掛けかねない。
いや、このままでは確実に掛けてしまう。
全くと言って良いほど膝が動かなくなってしまう。曲げると激痛が走り、立ち止まらねばならない
ガイドを申し出た男性に膝の痛みを訴えると、膝を曲げないように細かい足取りで降りるか、それでも痛い場合は後ろ向きで降りると痛みは少ない。
このアドバイスが私を救ってくれた。
左足を曲げないようにと言っても、なかなか難しかった。
後ろ向きで降りるなんて少し現実的ではなかった。
ただ、曲げないように歩く工夫を途中で思いついた。
それは左足より右足を前に出さないように歩く。これだけ。
かなり効率は悪いが、痛みはほとんど感じない。
ただ、膝の痛みが右足にまで及んでしまうとなると空恐ろしい。
ただただ、右足が持つ事を祈るだけ。

これでもう3度目だ、心が折れたのは。
幸いにして右足は下山を終えるまで持ちこたえてくれた。
すっかり憔悴しきってはいたが、疲れを見せてはいけないと、けなげに頑張ってみたりするも、足取りがやや怪しい。
すぐさまフラヌイ温泉へと向かい、疲れと汚れを洗い流し、アルコールを買い込んでキャンプ場へと戻る事にした。
今夜は早目に沈没するだろう。

行動:中富良野町〜十勝岳往復

走行距離:64km


2004年07月23日 (金)

目を覚ますと、先ず、左膝の痛みが増している事に気がつく。
平坦路すら歩くのがしんどい。
しっかりと養生の必要がある。
なので、今日は撤収せずに、キャンプ場に居残る事にした。
とは言うものの、好天に恵まれたので、洗濯物でも。と、富良野の街中まで繰り出す事にした。
昼間の気温は30度を越える予想だが、その予想通りの暑さとなってしまって、気分は参ってしまっている。
余計な事はずばりと当ててしまう天気予報に乾杯。

洗濯を終え、何か面白い物でも無いかと100円ショップに向かう。
目ぼしい物は無く、そのまま買出しへと向かう。
明日撤収するつもりなので、今晩の食材だけを買い込んでキャンプ場へと戻る。
少々早いが、酒を飲み、周りの仲間と歓談を始める。
明日、撤収する事を告げると、巧妙な誘惑の抵抗に遭う。
「せめてへそ祭りまで。」
それを断ち切ろうとしたが、決まった予定も無く、雨さえ降らばければねぶた祭りに参加できるだろうと、居残る事を告げた。
お陰でタイヤ交換はねぶた祭り以降となりそうだ。
オイル交換はどうしよう?

行動:中富良野町〜富良野市往復

走行距離:20km


2004年07月24日 (土)

これで何度目だろうか、二日酔いの朝を迎えるのは。
少々飲み過ぎの日々が続いている。
今日の空は薄い雲が広がってはいるが、概ね良好な天気と言えるだろう。
日が高くなるにつれ、気温も上昇しだす。
取り敢えず、今日はフラヌイ温泉でゆっくりと過ごし、身体からありったけのアルコールを搾り出しておきたい。
膝の具合も思わしく無いし、湯治と言う訳だ。
その前に、今日は上富良野町でラベンダー祭りがあるのでそれを少し見学してから。
今年からラベンダー祭りは十勝岳火祭りと共同で行われるらしく、新たに「花と炎の四季彩祭り」と改められていた。
祭りの始まりは今日の正午からとなっていて、プログラムを見ても目ぼしいものも無かったので、そのままフラヌイ温泉へと向かう。
フラヌイ温泉を十分に堪能し、日が傾くのを休憩室で待つ。

フラヌイ温泉を出て買出しを済ませると、キャンプ場に戻り、早速酒を煽ってまた、良い気分になる。
それにしても、今晩はやけに暑い。

行動:中富良野町〜富良野市往復

走行距離:24km
週間走行距離 268km
総走行距離 3601km
給油 14.8L(264.9km) 計183.7L(3472.7km)
諸経費 ガソリン代:=1820円
温泉代:600×4=2400円
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