〜第5幕 日本1周〜 =第8週=
2004年08月01日 (日)

久しぶりに涼しい夜だった。
が、朝、目を覚まして最初に飛び込んできたのはテントを叩く雨音だった。
雨音は次第に緩くなり、撤収の途中で止んでくれた。
今日は多少の雨でも移動と決めている。
だから、あまり乗り気じゃないのに、撤収作業を進めていた。
このまま雨が止んでくれていたらなと、希望をこめて、青森に向かうとする。

キャンプ場を発って、順調に函館を目指す。
目の前は薄い雲に覆われて、ほんの少しだけ雨の心配をする。
長万部町を抜け、八雲町に差し掛かると、雨が降り始める。
しかし、函館方面には青空が広がっており、レインスーツの心配はなさそうだ。
雨足は次第に強まり、青空の根拠が崩れそうになる。
対向してくるオートバイはレインスーツのような、ライディングスーツのような微妙な服装。
それはライディングスーツだと自分自身に言い聞かせて、ただただ向こうに見える青空を信じる。

八雲町を抜けると雨は上がり、青空が広がる。
と同時に、気温も一気に上がってき、通り過ぎる熱い風が恨めしい。
函館港に辿り着き、青森行きのチケットをとる。
意外にもキャンセル待ちなど無く、しかも、オートバイは私一人と言う状況だった。
1時間ほどの待合時間をだらだらと過ごし、フェリーに乗り込む。
フェリー内は空調が効いていて過ごしやすい。
シャワーを浴び、小1時間ほど眠りについて、買いたての本を読んでいると、あっという間に青森港に到着。
心配していた気温は、心配通りのもので、悪態をつきながら臨時キャンプ場を目指す。
キャンプ場には沢山のテントがあり、ねぶたの賑わいを感じさせる。
一画にテントを張ると汗びっしょり。
近くの銭湯に向かい、アルコールをしこたま買い込んで、前夜祭的な夜を過ごした。

行動:R5〜道道343号〜R5〜函館市内〜道南フェリー〜青森市内

走行距離:187km


2004年08月02日 (月)

太陽の日の光に起こされる朝だった。
思っていたよりも涼しいが、日中の気温の上昇を考えさせられる天候でもある。
今日はねぶたの衣装を買いに出かけ、そして夜の祭りに備えるとする。
さて、どんな盛り上がりを見せるのだろうか。今から楽しみでもあり、不安でもある。

昼前にハネトの衣装を買いに行って、あとはのんびりと過ごす。
祭りの時間が近付くと、臨時キャンプ場に居る全てのライダーで、駐輪場まで移動し、待機場所まで歩いて移動。
実にこの距離、1.2km。
行きは良いが帰りが辛い。
はねる時間は1時間少々なのだが、これが想像以上に辛い。
後半は気力だけで何とか乗り切ったが、帰りのオートバイの運転には精彩を欠くものだった。
銭湯に行くまでの長い事長い事。

行動:青森市内

走行距離:23km


2004年08月03日 (火)

今日は少々早起きをしなければならなかった。
が、腹痛と共に目覚めたのは夜が明ける前だった。
かなり早過ぎる。
トイレとテントを往復していると、夜が明け始め、そのままハネトの衣装に着替える事にした。
かなり寝不足気味。
昨日の疲れと筋肉痛は思ったほど酷くない。
朝からはねるとは少々驚きかもしれないが、日本テレビ系の朝の番組収録に出られるらしい。生で。
その為に20人あまりがその収録会場まで向かう事になっていた。
収録前のリハーサル。これがきつい。
3度ほどのリハーサルで、ふくらはぎが少々つり気味になる。
本番が心配になるほど。

本番が始めると、リハーサルほど元気良くはねられない。
顔にも相当な疲れの色が出ていたはず。
とは言え、花笠のお陰でその表情や私自身の確認は出来なかったらしい。テレビを見ていた人にとっては。
なんとか本番で足がつるような事にはならず、無事収録も終え、キャンプ場に戻る。
すぐさまビールを買いに行き、夕刻からの祭りに備えるとする。
それにしても、昼夜の行動が逆になりつつある最近。
テレビで幸運にも私を確認できた人は、即刻、会社に辞表を提出する事になるかも知れません。
そして、今日1番の失敗は、カメラを持って行かなかった事。
かぶりつきでねぶたの山車が撮影できたのに。

ねぶた本番にはふくらはぎの張りが取れず、ケツ持ちを買って出る。
しかし、今日のケツ持ちは大変なもので、ただ歩いている訳には行かなかった。
山車の運行が終わる頃には、ふくらはぎの張りは強まり、立っている事さえ困難な状態。
タンデムで連れて来てもらって、ホントに助かった。

行動:青森市内

走行距離:0km


2004年08月04日 (水)

昨夜の夜は涼しく、充分な睡眠が取れた。
疲れていたと言うのも大きな要因だろう。
朝になっても気温は上がらず、比較的過ごしやすい。
ただ、天候は雨混じりのもの。
夜には回復するらしいが、はねるかどうかはまだ分からない。
と言うのも、ふくらはぎの張りが強く、満足に歩けない。
まあ、朝から銭湯に行って、幾分かの回復を図るつもりだが。

銭湯に行って、自分でふくらはぎをマッサージし、休憩室で3時間ばかり睡眠をとる。
ふくらはぎのはりは以前強く、今夜が心配。
キャンプ場に戻って着替えを済ませ、会場に向かう。

ハネトの衣装に着替えて。

会場に辿り着いて、祭りが始まるのを待っていると、不思議とふくらはぎのはりが気にならなくなる。
脳内麻薬の分泌が盛んなのだろう。
そう、今日ははねる事にした。
意外に足の具合も悪くは無く、楽しめる事が出来たが、最後にはやはりスタミナ切れと、足の痛みで満足なものにはならなかった。
銭湯に向かうのが精一杯。
寝る前のアルコールの回りも素晴らしく、速攻で眠りにつけた。

行動:青森市内

走行距離:8km


2004年08月05日 (木)

久しぶりに暑い朝を迎えたような気がする。
それでもしっかりと寝れていたのは、前日までの疲れの所為だろう。
今日は祭りまで足を休めて、またはねるつもり。
何時まで体力が持つのだろう。
運動不足の身体には相当きつい筈だが、気力が充実している所為だろう。

天気は夜から崩れると言う予報だったが、祭り本番には崩れる事は無く、暑い夜になった。
祭り前半はなんとか体力も持ってはいたが、後半には明らかに動きが悪くなる。
とは言え、雰囲気に飲まれて頑張る事は出来た。
不思議とはねている間は、足の痛みは忘れるものだ。
祭りの後、銭湯に向かい、キャンプ場で深酒をしてしまった。

行動:青森市内

走行距離:13km


2004年08月06日 (金)

二日酔いで気分のすぐれない朝。
しかも気温が高め。
昨夜から崩れていた天候は持ち直してはいるが、あやしい天候には変わり無い。
今日も祭りまでのんびりと過ごすか。
それとも銭湯に出向いて、空調の聞いている部屋で休息を取るか。

結局、キャンプ場でのんびりと過ごしてしまった。
天気は微妙ながらも持ちこたえてくれている。
会場に向かう際に迷子になり、これ幸いとねぶたの巡航を眺めることにした。
審査が終わった所為もあってか、やる気のなさそうな所が何組かある。
その内にライダーのはねる山車がやって来ると、それに混じってまたはねる事にする。
この山車の前では、かなり盛んにハネトが跳ね回っている。
また疲労困憊の夜になってしまった。

行動:青森市内

走行距離:21km


2004年08月07日 (土)

今日は昼間に山車の運航がある日。
そう、最終日となる。
夜は花火で盛り上がりそうだが、昼間にはねるとなると、疲れてしまうんじゃないだろうか。

天気は不運と言うか、幸運にも晴れてしまっている。
これで、ねぶた運航の間は雨が降らなかった事になる。
それにしても暑い。
昼間と言う事もあり日差しがきつかったが、周りの和んだ雰囲気ではねるのはさほど苦痛でもなく、面白いものだった。
巡航が終わると、すぐさま銭湯に向かい、両肩が日焼けして痛むのに気がつく。
軽く汗を流すだけにして、休憩室に飛び込んでしばしの仮眠を取る。
キャンプ場に戻ると、花火大会へと向かう準備が進められている。

花火大会の会場へ向かうのに大混雑した道を行かねばなるまい。
アメディオにとっては1番の苦手どころ。
両脇にパニアケースを抱えたまま、タンデム走行は精神的にも、肉体的にもきついものだった。
それでも何とか会場に辿り着き、花火大会の始まるのを待つ。
とは言え、キャンプ場で用意してきたお好み焼きを焼くと言う事になるのだが。
花火が上がると、ねぶたの海上運航がはじまる。
今回、私たちが前ではねたねぶたが市長賞を獲得して、海上運航をすることになっている。
そのねぶたが前を通る頃に、盛り上がり、また花火で盛り上がる。

ねぶたの海上運航。見えるのが、市長賞を獲得したねぶた。

しかし、私にはどうもこの間延びして上がる花火で盛り上がる事はできなかった。
海上運航と同時に花火も終わり、キャンプ場に戻るのだが、予想通りの大混雑。
本当に楽しくて疲れたねぶた週間だった。

行動:青森市内

走行距離:25km
週間走行距離 277km
総走行距離 4354km
給油 14.6L(237.1km) 計232.0L(4315.0km)
諸経費 ガソリン代:=1839円
温泉代:350×7=2450円
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